岡本太郎先生の絵を見る機会に恵まれた
鳥取県立博物館で企画展
岡本太郎生誕一一〇年ーパリから東京へ
https://www.pref.tottori.lg.jp/tarookamotoexhibition/
第Ⅰ部
展示は様々な作家の抽象画から始まります、『四角い。これは何の絵だろう?』
タイトルを見て共感できる絵、全く何の表現かわからない絵、色々です。
19歳の岡本太郎先生はご両親と共にヨーロッパへ行き、パリに住みます。
現地の大学に通い戦争が激しくなり引き揚げるまで10年過ごしたそうです。
その間に交流した作家や参加したグループ『アプストラクシオン・クレアシオン』の
作品が所狭しと展示されていてけっこうなボリュームでした。
しかし、そのうちに岡本太郎先生は抽象派から離れた作風の絵を描き、
抽象やシュルレアリスム(超現実)とも異なる新しい手法を取ります。
ネオ・コンクレティスム(新具象主義)と呼ばれました。
不思議な絵ですが、びわのたねが見ると図形にしか見えない抽象画とは違います。
第Ⅱ部
徴兵されて満州(中国)に行きます、よく生きて帰ってこられたと思います。
死んでしまっていたら今ある沢山の作品は生まれなかったわけですから。
敗戦を迎えた岡本太郎先生はヨーロッパ時代の人脈を生かして、
日本の画廊や百貨店で海外の作家の展覧会を開きます。
今回の企画展で良かったことの一つは、ゆかりのある作家の方々の作品まで
様々なジャンルの絵や彫刻などを見られたことです。
岡本太郎先生の作品もたくさん展示がありました、絵画に立体作品
力強い太さ、筆致で描かれた黒い輪郭線や鮮やかと暗い部分の差が激しい色使いは
描かれたものが額縁から飛び出すと感じるほどの迫力です。
巨大な太陽の塔の試作?人間ほどの大きさのミニチュアがありました。
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展示作品は今にも動き出しそうな迫力 |
作品を直に見て、心に感動が生まれてきた
びわのたねは芸術家は遠い存在だと思い込んでいて作品を見たことがなかったのです。
有名だけれど、岡本太郎先生のことを良く知りませんでした、
色々な施設や家具や雑貨のデザインもしていたそうです。
『芸術は爆発だ』という一人歩きした名言をぼんやりと知っていましたが、
『芸術は呪術だ』という言葉も紹介されており生命力を表現したような
色鮮やかな作品をみて圧倒されたり、大きく描かれた顔と目が合ったり
作品を見ることで心に感動が生まれました。
一番最後の展示室は白黒に現像された写真がいっぱいでした、
日本の風習や祭り、繁華街など写真もたくさん撮られていたのですね。
おまけ
常設展示室でヒョウノセンヒメハナノミの標本が見られる
昨年の7月から特別展示中の
若桜町で発見されて新種と発表されたヒョウノセンヒメハナノミが
虫メガネを使って小さな標本を観察できるようになっています。
鳥取県立博物館の常設展示も生き物や自然好きの方々にお薦めしたいです。
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花粉を食べるヒョウノセンヒメハナノミ |